私は【手作り雑貨のお店ナオリラ】というショップ名で、
ハンドメイド作品をネットと実店舗で買取・委託販売しています。
私自身は一切作っていません(作れません(´;ω;`))。
時折、委託販売品や、SNSで見かけたハンドメイドの商品を
私事で購入したりもします。
それらを踏まえてご覧いただけましたら幸いです。
ハンドメイド作品を販売する理由は何ですか?
作家様にお伺いしたいのです。
趣味の延長線上?
収入のため?
独自の世界観を表現し、広めたいから?
私的には上記の三理由のいずれかなのかな~と感じているのですが・・
『趣味の延長線上』の方々はご自身が作家であるとは思っていません。
ただ作るのが趣味なので、材料費の足しになれば~の気持ちで、
あとは在庫処分での販売であり、利益は求めていません。
ご近所の方々からの持ち込みが多く、ガーデンショップならでは、ですね。
破格のお値段で出されますので・・
お客様も遠慮がちに『こんなに安くていいの~?』
と尋ねられるほどです・・
『収入のため』という方が一番多いのでしょうか。
自宅にいて、好きなことをして、それが収入になったら最高ですよね。
ですが、好きな物ばかり作っていてはなかなか収入にはつながりません。
そのため、これを理由とする作家様の作品は独自性に少し欠けてしまうのかも・・
『独自の世界観を表現し、広めたい』
こちらは独自の技術を極めたり、独自の世界観を作り出せる方であり
達成出来る方はほんの一握り、といったところでしょうか・・
リサーチなどを徹底され、試行錯誤を繰り返して確立させる方もいるのでしょう。
ファンもつき、価格はお高め設定でも売れ、
本職としても成り立つレベルなのかもしれませんね。
ただ、『収入のため』の作家様でも、統一した独自性を貫ければ
こちらに含まれてくるものと思います。
ハンドメイド作品販売の現状
ハンドメイドブームの時代は、本当に作品がよく売れたのではないかと思います。
ですが、今はあまりにも増えすぎた作家様と作品
そして販売先の希少さもなくなりましたので、そう簡単には売れなくなりました。
誰もがお手軽に作れるキットが次々販売されていますので、
自分で作ろう、と思われる方もさらに増えていきました。
需要が増えれば、素材も大量販売され、価格も下がる。
それらの理由で作品の価値相場はどんどん下がり、
高値で設定してしまうとまず売れません。
作業時間や手間代として換算した金額を売値に乗せるというのは
なかなか難しいのではないでしょうか・・
そしてイベントやショップに来るお客様の大半が作家様(趣味で作っている方も含む)といった現象も。
うちのお店もそうですが、参考に見に来たと思われる方や、
『私も作れるわ』とか、『この程度でこんな高く売ってるの?』だなんて
息まくお客様もいらっしゃいます(笑)
委託された作家様は、販売するために行動したからこのお店に並んでいます。
『私でも作れるわ』より一歩先に行っているという事ですね(#^^#)
ちなみに、『委託販売をお願いしたい』とおっしゃる方はたくさんいらっしゃいますが、実際に作品をお持ちになるのは3分の1程度ですかね・・
まあ、ハンドメイドされるお客様は、むしろ価値を良くわかっていらっしゃいますので、商品を購入してくださる方も多いのです。
作品を購入いただけたとしても、価値相場が下がった今
利益はほとんど出ないのが現状ではないでしょうか。
一般の小売業であれば、大量生産することで大きな利益を得る事が出来ます。
しかしハンドメイドは一つ一つ手作業ですので、大量生産は難しいです。
中には作成を代行に依頼して大量生産される方もいますが
こうなるとハンドメイドとはいえ、既製品販売に近いですよね・・
利益を出すために素材のコストを安くすませようとすると
他の作家様と被ったり、100円ショップ素材とバレてしまったり・・
これでは独自性の追求はなかなか難しいです。
希少素材を手に入れる、もしくはゼロから手作りすれば
独自の作品を作りやすいのでしょうけど
高額商品となってしまいますから・・
流行りに乗れるか、お客様受けしなければ売れない、といったことに。
本当に作家様が作品を販売して収入を得るのって、
微妙な立ち位置だなってつくづく思うのです。
お客様がハンドメイド作品を購入する理由は何でしょうか?
『世界でたったひとつ』の価値観は・・
残念ながら今はそれほど大きな理由にはなっていないのかな、と思います。
当店の近場には、ららぽーとやら、イオンモール等多くの商業施設があります。
それこそ100円ショップも様々が近場に点在しています。
モノが溢れている。
それも素敵なものが。
格安で。
アクセサリー売り場を見ても、けして同じデザインのものが
大量に置かれている訳ではありません。
ですから、持ち物が同じ人とばったり出くわす、といった事は
そうそうないですよね。
だからわざわざハンドメイドでなくても~って
販売していてなんですが・・
思ってしまうのです。
ですが、確かにハンドメイド作品が好きだと言って
楽しそうに店内をご覧になるお客様は多いのです。
ハンドメイド作品と既製品の違いは何でしょうか?
KUMARCHEさんのミニミニポーチ
こちらは私がまだ販売に携わる前に、ハンドメイドのイベントで購入したものなのですが
ある時、そのポーチを両手で持ち、じーっと眺めていた自分に驚きました。
その気持ちをうまく表現できないのですが・・
手に持った感触、くまさん(?)のお顔・・
魅入ってしまったのです。
初めての感覚でしたね~
手作り品なんだなあ~って(笑)
今もお取り扱いさせていただいています♡
ある人が教えてくれました。
『ハンドメイドは心の結びです。
そこには損も得もなく心があるからですよ』
私は本当にまだまだ学びの途中なのですが・・
手作りであるという付加価値は、どうやら心に直接伝わるようです。
作家様であるならば、どうか心を忘れないで
手作り雑貨のお店ナオリラでは、
40名を超える作家様の作品をお取り扱いしていますが
その他にも、請け負うまでに至らなかった作家様、終了してしまった作家様等
多くの作家様との関わりや、伺った話等の中で
残念に思った事も多々あります。
委託販売希望とのDMに返信しても、既読スルーされる事は結構多いです。
SNSではとても丁寧な言葉で売り込みされているのに
人を見て対応していては、どんなに素敵な作品であってもイメージダウンです。
誰もが顧客になる可能性があるのですしね。
また、LINE感覚なのでしょうか、名乗ることもなく
『委託販売希望です』
の一言程度でメールをされてくる方があまりに多くて驚きました。
こちらから伺うまで、名乗らないし、必要な情報をいただけないのです。
半世紀も生きてしまった私の考え方が古すぎるのか・・(=_=)
とも思いましたが
先日、お店に遊びに来た三人の子どもたちがお手紙をくれましたが、
みんなお名前と年組まで!書いてありましたよ(#^^#)
個人情報を守る時代、なのかもしれませんが、
こちらは住所から名前から全て明示しています。
そこは臨機応変に、相手を思ったやり取りをすべきではないでしょうか・・?
お客様とちゃんとやり取り出来ているのか心配です。。。
それからハンドメイド作家様ならではのあらゆるトラブルも耳に入ります。
盗作された、とか、コラボ作品の販売権利争いとか、
腕前を競って見下してくる作家様までいるのだとか。
盗作してまで売っている人は、作家様というより転売ヤーさんです。
ハンドメイド作家としてのプライドなどなく、
自身の価値を下げてまでもお金が欲しいのでしょうね。
同じ土台で争う必要はないと思います。
盗作や真似されるというのは、一般の小売業でもざらにある事で
それだけ売れる商品である、と認められた訳です。
それに、どうしても皆真似から入るものなのですから・・
盗作された!真似された!等々の嫌な思いを引きずるよりも
より腕を上げて新たな作品を生み出せる作家様になって欲しいものです・・
冒頭の質問『ハンドメイド作品を販売する理由は何ですか?』は
作家様に一度自問していただきたいな と思ったからなのです。
自らの作品を販売できる作家様は
本当に素晴らしい、と私は尊敬しています。
作品を通して自分と向き合い、表現出来るのですから。
それはお客様にも伝わります。
ですから、販売する理由が
副収入を得るためであれ、極めて本職としたいのであれ
ハンドメイド作家として活動するのなら
そのプライドとご自身の価値は見失わないで欲しい
と節に思うのです。
奇抜な商品や独特の世界観、ズバ抜けた作品でなければ
既製品に対抗出来るのは、
作成、販売している作家様の存在という付加価値なんです。
心を込めて作られた作品であるのはもちろんの事、
丁寧な取引き、メッセージカード、きれいな梱包等
といった作家様の想いの表現をも、お客様は期待しています。
大きな収入を得るには、とても厳しい道のりです。
それでも
作るのが楽しい
ハンドメイドが好きだ
という気持ちを大切に
生き生きと
自信と誇りを持って
相手をも想う
そんなご自身を表現することで
お客様を魅了出来る、素敵な作品を生み出せるのではないでしょうか
緑道沿いのこのガーデンショップで
お客様、作家様、そして家族との関わりの中
心という見えないものが、どれだけ大切であるのか
そしてそれがどう相手に伝えられ、受け取ることが出来るのか
私こそが自分と向き合い、
学ばせていただいているところです。
作家様の販売代行として、作家様の心をもお届けできるよう
努めていきたいな と思っています(*^-^*)