アニメ魔道祖師
用語・補足説明
【魔道祖師】
前塵編<第十二話>温家の姉弟

温氏は雲夢江氏生き残り三人を殺すように命令を下した。
江厭離を探しに眉山虞氏の方角へ歩き出す二人。魏無羨は普段から服のあちこちに小銭を少し入れる習慣があったので、お金には困らなかった。
藍忘機「世を守るために、誰かが立ち上がらねば」
藍啓仁「世が乱れれば安息はなし。各仙門が力を合わせて乗り切るべき」
江厭離は故蘇藍氏が東へ避難させていた。
魏無羨は食べ物を買い込み元の場所へと急いで戻ったが、江澄の姿はなかった。
魏無羨「きっと蓮花塢に遺体を盗みに戻ったんだ!」
魏無羨「(なんで江澄に追いつけなかったんだ?俺は饅頭を食べて全力で走ったのに!あいつは俺より疲れていて衝撃も大きい。あいつ、本当に蓮花塢に戻ったんだろうか・・?)」
とりあえず蓮花塢に行って確認しようと決める。
魏無羨「(今度は修練場で江澄の死体について誰かが話しているなんて、絶対にやめてくれ。さもないと、さもないと俺は・・)」
――さもないと?
さもないと、いったい何ができるというのか?
何一つできやしない。無力な自分にはどうすることもできない。剣の一本すら持っていない。何もわからず、何もできない!
魏無羨は初めて、自分の力がこれほどとるに足らないものであることに気づいた。
【魏の若様、助けに来たんだ】
温寧「昨日・・魏の若様と江の若様を見かけて、きっと、あなたたちがまた来ると思って・・」
魏無羨「お前、昨日俺を見たのか?」
温寧「み、見ました」
魏無羨「そのことを他の奴らに言わなかったか?」
温寧「言いません!他の人に言ったりなんかしません!」
魏無羨「(こいつ一体どういうつもりだ?)」
魏無羨は死を恐れてはいない。怖いのは江澄を助け出せず、江楓眠と虞夫人が彼に託した思いを裏切ってしまうことだ。どんなに警戒しようとしても、この崖っぷちの状況下で彼が望みを託せるのはこの温家の者だけだ。
魏無羨「(温寧はなんで助けようとするんだ?俺はなんで奴を信じようとしてる?)」
温情(ウェン・チン)
温寧の姉で岐山温氏の名医。
温若寒に非常に気に入られていて、催しものなどにも出席していたため、魏無羨も少々見覚えがあった。耳にしたのは、温情は温家の人間には珍しく人柄がまっとうで、時折温若寒の前で言うべきことを言ってくれるらしく、良い評判しか聞こえてこない。
「感じたか?俺の霊力を」
江澄がどれほど修為と霊力にこだわってきたか、魏無羨は誰より一番よく知っている。それなのに、彼の修為、自尊心、復讐への希望、そのすべてを 化丹手の一撃によって粉々に打ち砕かれてしまった!
江澄「何もできない自分自身を見てろって言うのか!?」
姉弟は、一人は見て見ぬふりをし、もう一人は自ら進んで救いの手を差し伸べてくれている。しかし、どちらも極めて大きな危険が伴っている。温晁がもし誰かを消そうとしたら、温情に止められるとは限らないし、彼女自身も巻き込まれてしまうかもしれない。結局のところ温若寒にとって温情は他人の子で、実の子である温晁とは比べものにならない。
抱山散人(ほうざんさんじん)
魏無羨の母親蔵色散人の師。噂では既に何百年も生きている仙師で、死者を生き返らせ、骨に血肉を再生させられるという。世を厭い深山に身を隠して『抱山』と名乗った、彼女の居所は誰も知らない。
魏無羨「女の人の声が、ある場所と言いつけを繰り返し教えてくれたのを覚えてるんだ。『もし今後、何かやむを得ない状況に陥った時は、その場所に行って、山を登って、山にいる仙人に助けを求めなさい』って」