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アニメ【魔道祖師】<完結編第一~三話>用語・補足説明 その10

アニメ魔道祖師

<完結編第一話~第三話>

用語・補足説明

アニメ『魔道祖師』のエピソードごとに

人物紹介・用語説明・補足説明などを
小説やラジオドラマより引用して記載しています。
 

【魔道祖師】

完結編<第一話>霜花の印

 

【義城(ぎじょう)

義城に住んでいる人は病死か不慮の死を遂げるかで6~7割が短命なため、必然的に町には死体を安置する義荘(ぎそう)(遺体を一時的に安置する場所)が多い。地元の名産が棺や紙銭(しせん)(副葬品で紙幣を模したもの)、紙人形(副葬品。紙で作られた等身大の人形)などの葬儀用品であったため、義城という名前になった。

 

【蜀(しょく)の東】

藍忘儀「行こう。この地を守る仙門世家へ」

魏無羨「そこへ行ってどうする!? 何か知ってたとしても自分たちで解決出来なかったことが恥ずかしくて言えないか、もしくは他人に手出しされたくないから教えてなんてくれないよ。むしろ何か聞き出せる方が怪しいって」

 

P R  

 

「猫の事件」

金凌藍思追たちは、それぞれ夜狩に出た先の宿に猫の死骸が置かれることが連日続いたため、調べ始めると櫟陽(れきよう)に辿り着き、そこで皆に会った。同じように猫の死骸を追っていたので、一緒に行動し、櫟陽では元常氏の屋敷であった墓地に、それから義城へと猫の死骸を追ってきていた。

 

【櫟陽常氏(れきようチャンし)の一門皆殺し事件】

櫟陽を管轄していた仙門世家、櫟陽常氏の一門が十数年前に惨殺された。恐怖のあまり命を落としたらしい。当時の宗主である常萍(チャンピン)は数名で夜狩に出かけていたため免れた。暁星塵は自ら事件の調査を引き受け、一か月後犯人を突き止めた。

犯人は夒州(きしゅう)のごろつき薛洋(シュエヤン)常萍の父親で前宗主常慈安チャンツーアン)への恨みからの凶行のようだ。

 

薛洋(シュエヤン) 

 

ちょうど金鱗台で清談会が開かれていたため、暁星塵薛洋をそこへ連行し、全ての証拠を提出して彼の処罰を要求したが、蘭陵金氏だけが処罰に反対した。百家の前で薛洋を始末すると約束したにもかかわらず、地下牢に閉じ込めて勝手に終身刑に変えた。その後常萍がすべての証言を覆し、「常家の事件は薛洋と一切関係がない」と公言したため、薛洋は世に放たれた。

 

薛洋は解放されると、暁星塵の友人の両目を失明させた。しかし証拠がなく、どうすることも出来なかった。その後金光善が他界、金光瑤が蘭陵金氏の宗主になると、新しい仙督としての気勢を見せるため、薛洋を始末した。

常萍が両目をくり抜かれ、殺されたのはその後であり、凶器は暁星塵の剣、霜華だった。

 

【魏無羨が操れない屍】

陰虎符に支配されているということ。剣や通常の術は通用しない。

既に陰虎符に操られている屍は、魏無羨の命令に従うことはない。

同様に一度魏無羨服従した屍は、陰虎符に操られることはない。

 

【常萍の問霊】

蘭陵金氏が世間の非難をものともせずに天下の敵薛洋の肩をもったのは、薛洋が蘭陵金氏の客卿であった事と、陰虎符の欠けた半分を作り出すことが出来たからだ。薛洋が常氏を滅ぼしたのは復讐のためだけでなく、実験に使い、復元した陰虎符の威力を確かめるためだったかもしれない。

暁星塵や当時の清河聶氏宗主聶明玦は、当時の金氏宗主金光善を激しく非難した。しかし間もなくして聶明玦は乱心して命を落とした。金氏は陰虎符を復元したかったため、常萍に圧力をかけて証言を覆させ、薛洋を解放したのだった。

 

薛洋は宣言通りに報復を始めた。しかし暁星塵本人を標的にしたのではなく、暁星塵の友人宋子琛の両目を毒の粉で失明させ、白雪観の人々を皆殺しにした。

宋子琛はその時助けに来た暁星塵に向かって「もう二度と会うこともない」と怒りを向けた。暁星塵抱山散人に懇願し、自らの両目をくり抜き、自分のせいで宋子琛が失った両目を彼に返した。暁星塵はそのまま姿をくらまし、宋子琛暁星塵を探す旅に出た。

 

暁星塵は11年前に失踪したまま。招魂を試したが成果はなかった。

つまり生きているか、魂まで消滅したかのどちらかだ

 

師叔(ししゅく)・・師匠の弟弟子に対する敬称。

 

宋子琛(ソン・ズーチェン)

宋嵐(ソン・ラン) 字 子琛(ズーチェン)

白雪観(はくせつかん)道長

 

道長(どうちょう)・・道士に対する尊称。道士とは仙人を目指して修行している人。

 

【なぜ藍忘儀は関わっていないのか】

魏無羨は疑問に思った。藍忘儀は当時から蘭陵金氏のあくどいやり方に対してもはっきり意見することをはばからなかったし、金氏の清談会にはほとんど参加せず、彼らと極力関わろうとしない。なのになぜこれほどまでに非道な虐殺事件に関わっていなかったのか。彼が見て見ぬふりするとは考えられない。

ふと、ある記憶が脳裏をよぎる。藍忘儀の体にあった、あの戒鞭の痕だ。たった一度打たれただけでも致命傷なのに、あれほどの回数打たれたとなると、大きな過ちを犯したとしか思えない。きっと数年は謹慎を命じられ、外出も禁じられたであろう。おそらく事件が起きた数年は、ちょうどそんな時期か、あるいは傷を癒していた時期だったのかもしれない。しかし直接本人に聞くことは出来なかった。

 

「この義城で、誰かが陰虎符を使っている」

『陰虎符は魏無羨が自ら破壊した』

陰虎符は魏無羨が生前に生み出した法器。陰虎符を持っているだけで悪鬼凶霊に命令し、従わせることが出来る。しかし陰虎符の威力は魏無羨が考えていたよりも遥かに強大で恐ろしいものだった。しかも主を選ばない。『過ち』を作り上げてしまったと気づいた魏無羨はこれを破壊しようと考えた。ただ壊すにもかなりの気力と体力、時間を有する。半分は破壊出来たものの、乱葬崗掃討が始まり彼自身にもどうすることも出来なくなった。だが、半欠けの陰虎符など、ただの鉄くずに過ぎない。

 

 

完結編<第二話>操り主

 

屍の毒・屍毒(しどく)・・彷屍が噴出した粉。一般的に屍毒にあたるのは噛まれたり引っかかれたり等なので、仙士がそのような失態を犯すようなことはありえず、屍毒を消す丹薬を持ち歩くことはない。屍毒が全身を巡ると死に至る。

 

焚灰引魂(ふんばいいんこん)の術

【宋子琛の凶屍】

暁星塵を探す旅に出ていた宋子琛は既に亡くなっていたようだ。

魏無羨が操れない屍。

舌を抜かれ、温寧と同様、釘が埋め込まれていて理性を失っている状態。

この釘は高級の凶屍を操るためのもの。

霜華剣の跡があることから、宋子琛を殺したのは暁星塵の剣落霜天。

 

魏無羨温寧を召喚する指令も出していた。

 

【暁星塵に扮していた薛洋】

魏無羨「屍たちと奮戦して力尽きたところから、わざと屍毒にあたり、金凌を庇って気を失ったところまで演技だったとは。まいったな」

冥利(みょうり)(利益)を求めない士に扮していた薛洋

薛洋「楽に人の信用を得るには、当然評判の良いあいつ(暁星塵)のふりをした方がいいだろう?でも俺にはすごく有名な友達が一人いるんだけど、あの見事な演技には到底かなわないよ。

 

鎖霊嚢(されいのう)・・霊的なものを収納することが出来る布製の小さな袋。

 

魂魄(こんぱく)・・霊魂。死者の魂。

 

魏無羨宋嵐温寧を操っていた釘はお前が作ったんだろう?それに半欠けの陰虎符まで復元できるなら、俺の助けなんて必要ないだろ」

薛洋「それは違う。開祖はお前だ。俺が陰虎符を復元できたのは、お前が作った陰虎符があったからこそだ。一から作るなんてできるわけがない。」

魏無羨「ここまで粉々に砕けてしまったら、治すことなんて不可能だ。もはや風前の灯も同然だ。この中の魂魄はあまりにも少なすぎる。

この人は生前相当ひどい苦痛と悲しみの中で自害した可能性が高い。きっと二度とこの世に戻りたくないと願って絶命したんだろう。魂魄自体が生きたいと望まなければもう手の施しようがない。」

 

「敷居が高すぎる、鬼除けか?」

低級の屍は四肢が硬直していて跳ぶことしか出来ない。両足で跳ぶので高い敷居は超えられない。そして一度倒れたらすぐには起き上がれない。庶民の知恵。

 

欧陽子真(オウヤン・ズージェン) 

巴陵欧陽(はりょうオウヤン)氏の一人息子

 

「屍毒に効く秘伝の解毒薬」

もち米のおかゆ。民間療法の一つ。

 

「一番大事なのは肝を据わらせることだ」

魏無羨「幽霊が人を驚かすのは、人は驚かされると心が傷つき、魂が激しく動揺して最も精気を吸い取りやすい状況になるからだ。だから幽霊は度胸のある人が一番苦手なんだ。つけ入る隙がなく、為すすべもなくなる。」

魏無羨「ただのでたらめだよ。」

 

阿箐(アージン)

彼女の竹竿の不気味な音は、阿箐が町に入って来た人間たちを脅かすための手段だ。しかしそれが悪意からとは限らない。

藍忘儀は彼女に導かれ、藍思追たちを発見したのだ。

彼女もまた、舌を抜かれていた。

 

 

完結編<第三話>はかなき夢

 

【共情(きょうじょう)

怨霊を直接体に招き入れ、術者の体を媒介にその魂魄と記憶に侵入する。一番手っ取り早く有効な手段であり、誰でも出来るが、どんな方法より危険でもある。ひとたび怨霊が術者に逆らい反撃されたら、最低でも奪舎は免れない。

共情の儀式には監督者が必要であり、清心の鈴の音を合図とした(共情者の慣れ親しんだ音が望ましい)。

 

共情してみると、阿箐の両目の白さはおそらく生まれつきだが、実際には普通に見えていることがわかった。阿箐は天涯孤独だったため、暁星塵阿箐がついてくることを黙認したようだった。

そして重症を負って倒れていた薛洋を見つけ、使われていない義荘に運ぶ。おそらく時系列的に仙督の座についた金光瑤薛洋を「始末」したあとだろう。暁星塵は運悪く自分をここまで追い込んだ敵を助けてしまったのだ。この時の薛洋は喉までやられていたらしく、声が掠れていたため、薛洋の正体に気付けなかった。薛洋暁星塵を騙して、自分の傷を治させることにしたようだ。

 

暁星塵は旅をしながら夜狩をしていたが、薛洋のため、しばらく義城に滞在することにした。屋根の補修をしようとすると、薛洋も手伝う。薛洋は口達者で冗談が上手く、話しも面白かったので、二人は楽しそうに談笑していた。

薛洋は怪我がほぼ治りかけていたものの、二人のもとを離れようとせず、依然三人の暮らしを続けている。声もわざと違う声色を装っている。一体何を企んでいるのかはわからなかった。

 

夜狩へ薛洋がついていく。機転が利く阿箐薛洋が善意でついていくはずがないと考えてあとを追う。

霜華剣は屍気を察して目の見えない暁星塵を導く。

暁星塵の霜華剣の光が一筋横切ると、その刃は生きている村人の心臓を貫いた。しかし阿箐が死体を調べると顔中に死斑が現れていたため、彷屍であったのだとほっとする。

確かに一見屍のように見えるが、屍毒にあたったせいだ。おまけに舌を切られていたため、声を出すことが出来なかった。舌を切られた村人たちは、彷屍のようなおかしな叫び声しか上げることができない。暁星塵も自分が斬ったのは彷屍だと疑いもしなかっただろう。

 

二年後、阿箐は町中で宋子琛に出会う。阿箐が彼を義荘の近くまで連れて行くと、宋子琛薛洋の姿を見て全身を震わせる。阿箐に「道長には何も言わないでくれ」そう言い残し、買い出しに出た薛洋を追った。

薛洋は自らの手で精製した屍毒の粉を宋子琛にかけ、降災で舌を切落した。

 

降災(こうさい)・・薛洋の剣。血と殺戮をもたらす、不吉な剣。

 

払雪(ふっせつ)・・ 宋子琛の剣

 

【再会が死別の時。薛洋に気付く暁星塵】

薛洋暁星塵道長、俺が常萍の父親とのわずかな諍い(いさかい)のためになぜ一族を皆殺しにしたのかって?だったらなんで奴が子供だった俺を弄(もてあそ)んで虐(しいた)げた理由は聞かないんだ!?今の俺は、あの日の常慈安が生み出したんだ!櫟陽常氏が滅びたのは自業自得なんだよ!!」

薛洋「世の中を救うだって?笑わせるなよ。お前は自分自身すら救えやしねぇ!お前は何一つ成し得ず、完全に大負けしたんだ。それは自業自得だよな。全部自分で招いたことなんだから!」

目を失った暁星塵は涙も失い、代わりに血を流し続けた。

魏無羨暁星塵の姿に自分自身を重ね合わせていた。

 

――清心の鈴の音

 

魏無羨阿箐、お疲れさま」

阿箐はこの数年間、たった一人で怪しい霧が立ちこめるこの義城の中を薛洋から隠れ回り、町に入ってくる人々を脅かしては町の外まで導いてきた。彼女のその行動にはどれほどの勇気と執念が必要だったろうか。

 

【点睛召将術(てんせいしょうしょうじゅつ)

魏無羨「明眸(めいぼう)は恥じらい閉じて、赤い唇は笑みにほころぶ。善悪問わず、点睛の招きに応えよ」

 

阿箐は迷霧の中で影のようにの背後に張りつき、「カツカツ」と竹竿を打っては薛洋の居場所をさらし、藍忘儀を攻撃すべき方向へ導いている。

 

魏無羨「わざわざ俺に暁星塵の魂魄の修復を頼んだのはなんのためだ?生きる意欲を失った者は救えない!」

魏無羨「なんで常萍を殺した?お前みたいな奴が皆殺しにするのに何年もかけるなんてありえないだろう?自分の復讐のためなら、どうして降災ではなくわざわざ霜華を使った?なんで常萍の両目をくり抜いて、暁星塵と同じようにしたんだ?

一体誰のための復讐なんだ?おまえ自身が一番よくわかっているはずだ!」

 

斬り落とされた薛洋片腕からは、一粒の小さな飴が転がり落ちる。その飴は黒ずんでいた。

 

伝送符(でんそうふ)・・一瞬にして人を千里も離れた場所まで移動させることが出来るが、同時に大量の霊力を消耗し、使用後は回復にかなりの時間を要するため、未熟な者には使えない。大変便利な代物ではあるが、実際に使う者はほとんどいない。

 

刺客の目的は薛洋が十中八九持っているであろう陰虎符だろう。義城に集まった大勢の屍はどう考えても屍毒の粉や釘だけで操るには限界がある。薛洋が持っていた可能性は大だ。

 

宋子琛『遺体は荼毘(だび)に付す(火葬する)。霊体は供養する。』

粉々に砕けてしまった暁星塵の魂は元の体に戻ることはないだろう。だから遺体は火葬した方がいい。体が消えれば残るのは純粋な魂魄だけ。穏やかに静養すれば、またこの世に戻れる日がくるかもしれない。

宋子琛『霜華を背負い、世を渡る。星塵とともに、魔を除き、邪を払う。』

宋子琛『彼が目覚めたら伝える。すまなかった、君に非はないと。』

それは生前に伝えられなかった言葉だった。

 

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