アニメ烈火澆愁 (れっかぎょうしゅう)
用語・補足説明
注)日本語翻訳版小説は出ていないため、中国語版の独自翻訳による独自解釈となり、著者様の意に沿ったものではない可能性があります。あくまで参考としてご覧ください。
【烈火澆愁】
<第3話> 鏡 花 水 月 蝶
黒い霧を切り裂いた宣璣の眉間には燃えるような赤いトーテム(部族の象徴)が現れた。そして手には重剣を持っていた。その刃は手のひら二つ分ほどの幅があり、その上に炎の模様が描かれていた。
宣璣は『本命剣』を手にして振り下ろし、盛霊淵を病院の3階から1階の外来ホールに叩きつけた。盛霊淵は不意を突かれ、重剣を両手で掴まなければならなかった。
獣の頭が空中に現れたが、宣璣の指輪が突然現れて閃光を放つと、宝石が割れて砕け飛び散り、獣の頭は苦痛に咆哮して粉砕した。
その瞬間、宣璣は鋭い刃で心臓を貫かれたような鋭い痛みを感じて膝をついた。
宣璣「このバカ指輪、なんで奴をかばう」
指輪は火にも酸にも強く、防弾仕様だった。彼は自分が死んで灰になったとき、この指輪が聖遺物か何かになるのではないかとずっと感じていたのに、粉々に砕けてしまうなんて!
宣璣「本部が射殺したのは術をかけた奴じゃない」
確かに、もし術をかけた者が赤淵に不法侵入した観光客の一人だったなら、人魔は既にそいつと会っている!契約が成立する前に会った場合、召喚された人魔が激怒して生贄が完了する前に術者を殺害する可能性も否定できない。奴からは安全な距離を保っていたはずだ。
宣璣「ミスリード(間違った方向へ誘導)されたか!」
人魔を召喚するのは一度限りのことで長期契約ではない。邪悪な魔術である理由は、十中八九は復讐であり、その背後にいる者は弱者だ。しかしこの者は誰にも気づかれずに30日間で千人殺せる。容易なことではない。
『千霊法陣』の術者は、特能人ではないとしても特能人と深く関わっているに違いない。術者は異対センターに助けを求めなかった、ということは支援は得られないと思っている可能性が高い。であれば術者は指名手配犯か、それとも・・・
もしかしたら、『千霊法陣』は異対センターに向けられているのかもしれない。
平倩如は言った。『班長がここにいるのに、どこヘ行けって言うんです?羅さんも待機していたんですよ。』これは自然な反応だ。直属の上司に従い、指示を待つはずだからだ。なのになぜ一人だけ現れなかったのか。
今回の任務の焦点が盛霊淵であるにもかかわらず、彼に見向きもしなかった。その後、自らの判断で不法侵入者を別の場所へ案内し、上司に声をかけることもなかった。これは職場ではタブーである。宣璣が人魔と対峙していることを知っており、事前に人魔に会えば暴露されるのではないかと恐れていたのでは・・・
県立病院前。畢春生は姿を消していた。
鞏成功「善後班の闇は深すぎる」
肖征は前善後班班長鞏成功(コン・チョンゴン)を最後に見た時のことを思い出した。
病室には陣が張られ、肖征だけを中に入れた。
鞏成功「局内で大きな混乱が起きるだろう」
鞏成功「私は老黄(黄(ホアン))をここに転勤させるよう申請した。彼は特能人ではない。足場を築くのは容易ではないだろう。だからお前に彼を託す。お前はまだ潔白だと私は知っている。」
肖征が意味を尋ねる時間もなく、彼は目を閉じ二度と目覚めなかった。
局は匿名の告訴状を受け取っており、鞏成功に対して捜査が入った。
【紛失した蝶の卵の入った缶】
『鏡花水月蝶』は一級危険物である。30年前缶が一つ紛失しているのを発見した時、文書部は大変慌てて、すぐに報告している。当時は電子データベースがなく、書類はすべて紙だった。しかし蝶の卵は見つからないまま、記録は不可解な形で消えていた。善後処理班前班長の鞏成功が署名し、前室長が承認している。
蝶の卵が失われたのは30年前で、事件は今になって起こったのだ。
【人民病院】
畢春生「これも天意(天の意志)ね」
盛霊淵「ああ、人燭(じんしょく)か。無理もないな」
人燭・・・魔に堕ち『千霊法陣』の媒介者となった者。
【局長室】
黄(ホアン)局長
「この役職を引き受けるのは怖かった。事態が悪化する前に、善処(ぜんしょ)(上手く処理)したかったが、こんなに早くそうなるとは思っていなかった・・・」
黄局長「実は30年前には、多くの人が秘密にしていた『日常的な行為』だった。『15人のボーダーライン』は公共の安全のためであり、本来の意図は良いものだが物事には裏表がある。亡くなった人が生き延びることが出来たのは、蝶の卵のおかげだ。外勤は減点されず、遺族は感謝し、善後班も安堵した。皆が幸せだった」
肖征「彼らとは誰ですか・・・」
黄局長「わからない。まだ手がかりは掴めていない。しかし・・・思い浮かぶ人物、いや、幹部のほとんどはこのことを知っているはずだ。自分のためではなくとも、良い苗木を守るためにそうすることもある・・・」
黄局長は肖征を深く見つめ、それ以上は何も言わなかった。
肖征は言葉を失った。
肖征は百万人に一人の『雷火系』であり、その中でも珍しい『純雷』という特殊能力を持つ。異対センターに入るとすぐに特別待遇を受けた。
数えきれないほどの戦いに参加し、数えきれないほどの武功を挙げたが、減点がたったの3点だったというのは奇跡的なことだった。しかしこれは本当に幸運だっただけなのだろうか?自分は本当に『潔白』なのだろうか。
【人民病院】
宣璣は畢春生の話を聞いて眉をひそめた。畢春生の能力は他人に対して非常に大きな催眠効果があったが、彼女自身に対してはどうなのだろうか?彼女が心の中の考えと何度も格闘せずにはいられない時、彼女の能力は彼女の妄想と混乱を悪化させるのだろうか?
畢春生「赤淵の炎を再び燃やすことだ!」
人魔は拒んだ。
『千霊法陣』は完了した。『供犠の主』である人魔は、供犠文の『契約』をその場で破り捨て、呪いをかけた者を傲慢にも殺害した。すると呪文は激怒し、鋭い刃と化して人魔へと一斉に襲いかかる。
盛霊淵「朕はもとより、束縛をもっとも嫌う。」
盛霊淵「うぬらは朕(ちん)の逆鱗に触れるのか!」