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アニメ【烈火澆愁】用語・補足説明その12<第十二話> 

アニメ烈火澆愁 (れっかぎょうしゅう)

用語・補足説明

アニメ『烈火澆愁』のエピソードごとに
人物紹介・用語説明・補足説明などを
小説より引用して記載しています。

注)日本語翻訳版小説は出ていないため、中国語版の独自翻訳による独自解釈となり、著者様の意に沿ったものではない可能性があります。あくまで参考としてご覧ください。

【烈火澆愁】

<第12話> 暫 離(ざんり)

 

赤淵病院にいた人魔はただの人形で、今目の前にいるのは本物だ。宣璣は背筋に凍りつくような感覚を覚えた。

『千霊法陣』の懲罰により避雷針と化した盛霊淵に稲妻が直撃、盛霊淵は微動だにせずその一撃を受け止めた。陣に貫かれた彼の血はまるで命を吹き込まれたかのように、細い線の炎を瞬く間に覆い尽くして阿洛津を貫いた。

宣璣は咄嗟に盛霊淵をその場から引き離した。盛霊淵が間一髪で雷をかわすと二人の血脈は断ち切られ、雷は阿洛津の血脈を貫いた。

 

阿洛津霊淵兄さん、あなたの最期について聞いたよ…あなたは人皇でありながら、結局は奴すら守れなかった・・・実は、俺と同じだよね?そうでなければ、この『千霊法陣』でどうして目覚めるというんだ?・・・あなたには何もない・・・一日でも幸せだったのか?」

若き族長は灰となった。

 

盛霊淵は無関心に宣璣を一瞥し、冷静に言った。「私が残した引雷術(いんらいじゅつ)が何者かによって作動したようだが、奴は分身だったようだ。私はそなたの正体を知らなかった。申し訳ない、手違いだった。」

 

谷月汐「傷を見せて」

谷月汐「剣霊の体は人間と似ているはずでは?私の知っている刀霊とは違う」

宣璣は衝撃を受けた。「剣霊について知っているのか?」

武器を精霊に精錬する古代の製法は数千年もの間で失われていた。今では誰も理解していないだろうと思い、宣璣は盛霊淵を剣霊に仕立て上げたのだ。

谷月汐「異常なエネルギーが見える。血統が違えば色も質感も違うけど、こんな純粋な黒の力は見たことがない」

宣璣「(・・純粋な黒の力・・それは人魔の邪悪な魂では?)」

谷月汐「赤淵病院の人魔とさっきの人魔も、ただの黒い霧の塊だった。でも彼はもっと純黒で、もっと濃い。たくさんの小さな黒い文字が密集していて、よく見えない・・これは?」盛霊淵の心臓をよく見ようとした時、するどい痛みに両目を覆う。

谷月汐には説明することが出来なかった。

――覗き見禁止。開示禁止。

宣璣は彼女の透視眼は強制的に塞がれたのだろうと推測している。

 

盛霊淵の体は赤淵病院に現れたあの藁人形と違って、出血したり、怪我をしたり、発熱したりする。人間の苦しみからは逃れられない。しかし、盛霊淵は火で焼かれることはなく、妖族の阿洛津を殺すこともできる。さらに無意識に透視眼が覗き込むのを防ぐ。

人間皇帝陛下は神でも人間でもなく、生きているわけでも死んでいるわけでもなく、一体何者なのか全く不明である。

 

谷月汐班長、念のためお伝えしておきます。剣霊の火傷はすぐに自然と治りますが、陣形が貫いた部分は腐食しています。傷口には『浄化』されたようなエネルギー反応が見られます。気をつけてください。剣ですから。武器は様々な物と接触し、汚染されている可能性があります。」

宣璣の真火の陣は本来、邪悪な魔を祓うためのものだ。

 

宣璣が結界を解いてバスルームに入ると、盛霊淵は胸から炎色の『糸』を無理やり引き抜いていた。他の傷は大したことはなかったが、この『糸』が周囲の肉と血を絶えず腐食させていたようだ。

 

盛霊淵「世は随分進化した。昔とは格段に違う」

兀族の老族長は心優しい人だった。祖先の教えによって東州から外へ救出に出られず、同胞の苦しみを思っていつもため息をついていた。もしこの光景を見たら、安堵するだろうか。それとも阿洛津のように憤りと狂気に満ちるだろうか。

宣璣「3,000年前の兀族の功罪(こうざい)(良きも悪きも)なんてとっくに消え去った。」

 

【東州人民病院】

肖正は24時間病棟に隔離されていたが、ようやく異常エネルギーが消えたことが確認され、散歩に出かけたところだった。幸いにも彼は雷タイプだ。そうでなければ追悼式だっただろう。

 

善哉(ぜんざい)・・・小豆粥

 

阿洛津が陣形に捕らわれた時にかかってきた電話の発信元は指令室(総調度室)。しかし異対センターの監視システムは、様々な異常エネルギー体や幽霊までも捕捉できる。そして指令室(総調度室)から発信された記録もない。また『千霊法陣』が遠隔操作できるのか、という問題。黒幕は何らかの方法でその時の状況を『見ていた』に違いない。

肖征が抑え込んでいた怒りが爆発し、部屋が雷で満たされると、水系である王沢の抵抗力は常人よりも低いため、王沢はすぐにその場を立ち去った。

宣璣はドアを閉めて盗聴防止の札を貼った。

かかってきた電話について、宣璣は最も可能性が高いのは、発信側の問題ではなく着信側の携帯電話の問題だと考えている。その携帯電話は『風神』張昭のものだ・・・問題はないはずだが。

 

宣璣「一般人と特能人を反目(はんもく)(対立)させたがっている」

最初の『千霊法陣』は赤淵で、仕組んだのは畢春生だった。しかし事件の後、皆の注目は『鏡花水月蝶』のスキャンダルに集中した。そして、この『千霊法陣』の最後の犠牲者が、東州の『千霊法陣』事件の主犯の一人だったとは偶然すぎる。季清晨と彼が感染させた少年のせいで捜査は妨害されたが、それを手繰って東州へ導かれ、月徳公の悪事が発覚した。それがなければ、『鏡花水月蝶』の寄生症状も兀人族の墓も闇の中だった。たとえ阿洛津が現れたとしても、一体誰が彼の正体を知っただろうか?この二つの事件、特に二番目の事件は、黒幕が陰謀の解明へと導き犯罪者集団を陥れようとしたかのようだ。

 

宣璣「兀族の札はウソ発見器。炙り出しに最適だ」

盛霊淵「人面蝶事件を隠蔽しようするのは非常に賢明だが、この事件は偶然ではなく、誰かが背後にいることを忘れないように。隠蔽したくとも隠蔽できるものではない。」

『鏡花水月蝶』は人面蝶と呼ばれる兀族の呪いだ。兀族の呪いの多くは解呪が可能で、邪悪な呪いで人を傷つけることは禁じられている。聖人(大聖)と族長以外、誰もこの蝶を勝手に植え付けることはできない。兀族の呪符は検査に用いられる。人面蝶を悪用した者は、この呪符により額に蝶の模様が現れるため、裏切り者を見抜くことが出来る。

 

王沢「・・君の剣霊(器霊)はあまりにも人間に似ている…あまりにも彼らに似ている。」

【任務中の事故】

海に動く小さな島があった。伝説によるとある海洋生物が生息していて、しばしば大群で集まり、難破船や海中の死体、ゴミなど汚いものを寄せ集めて球体を形成していた。

しかし、海には未知のものが多すぎる。この島には危険な物質が潜んでいた。現状では、これを「海の毒」と呼ぶしかなかった。

普通は遥か沖を漂流している島が、ある時なぜか大陸棚に漂着してしまった。沿岸には多くの 漁船や作業船が停泊していて、近づくのは危険すぎるため、風神が緊急の任務を受けて島を移動させた。

なんとか島を制圧したが、付近の漁師集団が難破船に財宝があると噂を広め、密かに島を掘り起こした。大量の海毒が漏れ出し、燕隊長は愚か者たちを救出するため島に閉じ込められてしまった。皆、 彼はもう絶望的だと思ったが、刀霊知春燕隊長を運び出した。彼は鞘を盾に変え、燕隊長は毒ガスを吸い込まずにすんだが、知春自身は海毒で腐食した。海毒の成分は不明で、完全に除去出来きず、浄化速度が腐食に追いつかなかった。しかも、海毒の腐食性は物理的なものだけではなく、知春は後に制御を失い、意識が徐々に薄れていった。仕方なく彼を監禁したが、市街地へと逃走して通行人6名に怪我を負わせ、そのうち1名は瀕死の状態だった。これは当時大きな問題となった。

 

盛霊淵「山河(さんが)や草木(そうもく)と心が通じ、風土の庇護(ひご)を受けられる。それも一種の特能だ」

盛霊淵「厚遇(こうぐう)に感謝する。小妖、ここでお別れとしよう」

謎めいた人皇は、今のところ敵対する意思はないようだった。互いに干渉しない方が賢明だろう。今後、運よくあの『千霊法陣』の背後の奴がわかったとしたら、まだ彼の力を借りることができるだろう。

 

 

阿洛津霊淵兄さん、人面蝶って本当に死者を蘇らせることができると思う?」

盛霊淵「死んだら死んだまま。命は灯と同じ。幽霊も神も、人間が自分を欺くために作り出したものだ。」

阿洛津「じゃあ・・死んだら何も残らないってこと?死なないってことはできないの?」

盛霊淵「みんな死ぬさ、生きている人間が悪魔に取り憑かれていない限り。」

阿洛津「本当?」小さな阿洛津は驚いて目を輝かせながら尋ねた。「長生きできるならどうしてそれを素晴らしいとは思わないの?」

盛霊淵「世の中には永遠に続く良いものなどない。最も長生きした人でさえ、死を迎える時には人生にのうちのほんの少しの幸せな出来事しか思い出せない。それも稲妻のように儚いものだ。私の師は、救われぬ者だけが不老不死になれると言っていた。」

阿洛津霊淵兄さん、なぜ永遠には続かないんだ?もう一度教えてよ、『生者が悪魔になる』とはどういう意味なんだ・・・行かないで、兄さん!」

 

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