残次品~放逐星空
(ざんじひん~ほうちくせいくう)
用語・補足説明

<エピソード4> 神か地獄か

ホワイト

ヴィタス / 闘鶏(ドウジー)
喧嘩ばかりしていたため、『闘鶏』というあだ名がつけられた。

ミント
ホワイト「精神網の衝撃に負けてるんだ」
機甲の精神網を制御出来る能力は人によって異なる。操縦者の精神網の強さ、精度、反応時間、心理的気質、戦闘意識といった一連の指標は、総称して『精神閾値(いきち)』と呼ばれる。精神閾値は多少才能の影響を受けることもあるが、基本的には厳しい訓練によって培われる。
闘鶏は本物の機甲に触れたことがあると主張していたがそれは嘘で、子供の頃に一度だけ模型で遊んだことがあるだけだった。初めて機甲と繋がった闘鶏は、機甲について何も知らなかったため精神閾値はほぼゼロだった。機甲は自動操縦で広大な宇宙へと飛び立った。
毒巣本拠地
第八星系の端に漂う、廃墟となった宇宙ステーションを改造した基地。
林静恒は毒巣の星艦をちらりと見て、技術レベルは毒巣基地より少なくとも150年は進んでいると推測した。軍用星艦や機甲を毒巣に提供した組織がチップを製造し、子どもを誘拐させたに違いないと確信した。

毒巣ボス 001

独眼鷹(ドゥーイエンイン)
彼は若い頃左目を負傷して義眼となった。当時の技術でも義眼は元の目と全く同じ色で作ることはできたが、若かった彼は目立つためにわざと違う色の虹彩を選んだ。大人になって後悔してももう遅すぎた。
001「白銀要塞を木っ端みじんにした」
001「首都星に侵入し、連盟秘書長を暗殺した」
林静恒の呼吸は思わず止まった。
第一星系と第八星系は遠く離れているため、情報の伝達には時差が生じる。海賊たちは公式よりも速い、特別な情報源を持っているようだ。
最も被害が大きかったのは第一星系で、海賊たちは白銀要塞を突破して進軍し、連盟の者たちは既に首都星を撤退していた。

<エピソード5> 2人の四哥
湛盧「連盟関係の情報を精査中です」
湛盧「ゴードン秘書長は妻と帰宅する途中暗殺されました。ゴードン夫人は護衛に救出され、無傷でした。」
林静恒はようやく喉に詰まっていた息を吐き出した。
独眼鷹「お前まさか・・・湛盧か?」
林静恒は湛盧(機甲コア)を誰にも見せなかった。人型、ロボットアーム型が湛盧であることを知る者はほとんどいなかった。
独眼鷹「あの時 言ったよな」
連盟の反逆者として陸信が追い詰められた時、陸信夫人は『湛盧』と共に第八星系へと逃亡した。連盟軍は彼女を追跡したが、そこで正体不明の勢力が陸信夫人を拉致したのだった。連盟軍は既に湛盧を拿捕しており、陸信夫人の小型星艦にもミサイルが直撃していたため追跡を断念し、『遺体』の回収をその勢力に許したのだった。
林静恒は18年間陸信夫人を拉致した『正体不明の勢力』を追跡し、『白銀要塞』へ入隊して機会を窺っていた。そして15年前、彼はわざと逃がした星際海賊を追って第八星系へと進軍、隙を突いて部隊を離れ、秘密裏に『正体不明の勢力』凱菜星の独眼鷹に接触した。レーザー銃をつきつけられた独眼鷹は仕方なく陸信夫人の遺灰、彼女が持参していた上将の肩章、そして彼女が乗っていた小型星艦の航海記録装置を差し出したのだった。独眼鷹は陸信夫人もお腹の中の子も亡くなったと言ったが、林静恒は信じなかった。
林静恒は長い年月をかけて4つの欠片を手に入れていた。
『骨の欠片』は陸信の遺体、破壊された陸信の『石像の欠片』は彼の栄光、『上将の肩章』は彼の生涯の信念、そして愛する『陸信夫人の遺灰』は彼の魂が帰る場所。
あとは生死が定まっていない『子供』がそろって、ようやく安らかに眠ることができるのだ。
林静恒「湛盧、基地をスキャンしろ。」
敵の警戒を避けるため、湛盧は技術的な手段を使わずに周囲の監視システムを巧みにスキャンし、それらを回避する経路を素早く導き出した。
独眼鷹は林静恒が何をするのか知りたくて、彼の後を追った。
独眼鷹「死んだはずの人間がなぜ面倒に関わる?」
独眼鷹「連盟と海賊の争いに、何の関係があるんだ?連盟はお前に金でも払ったか?」
林静恒「誰もが面倒に巻き込まれるのは避けたいものだ。だが管理委員会の幹部たちは、一歩間違えれば破滅を招くと日々恐れを抱きながら休みなく働いている。平穏な暮らしを望めば平穏な暮らしを送れるのか?お前は一体何様だ?」
陸必行「星海学院の技術力さ」
本来、機甲と繋がっている人間だけが「精神閾値」を持ち、機甲の精神網を通して他の機甲に侵入することができる。陸必行は体内のチップを利用して機甲に遠隔接続していた。厳密に言えば、遠隔操作システムは独自の中核知能を備えた超ハイエンド機甲や、連盟の『十大名剣』にしか搭載されていない。こんな小さなチップに搭載されるべきではない。

“ 陸必行 ”
5年前、林静恒が死んだと聞いた独眼鷹は安堵のため息をつき、目をつぶって陸必行の『家出』を見送った。しかし、多少の配慮はしていた。陸必行の日々の行動は監視せず、居場所と健康状態だけを記録していた。こうして、大切な息子が北塔星にいることは常に把握していたのだった。
独眼鷹の個人端末が近くに見覚えのある名前を見つけた。