残次品~放逐星空
(ざんじひん~ほうちくせいくう)
用語・補足説明

<エピソード14> カウントダウン―10秒前

残された命を自分の手で握りしめて
黄静妹「数字くらい自分で数えられる」
黄静妹は深呼吸をしてノイズフィルターを装着した。干渉は大幅に減少していたにもかかわらず、精神網は依然として彼女を強く拒絶した。それが客観的な事実なのか、それとも心理的な要因なのか分からなかったが、これまで苦労して理解しようとしてきた機甲のメカニズムと操作理論が次々と頭をよぎった。

黄静妹「これはただの道具。私には制御できる。他人の精神網にハッキングすることだって出来たんだから」
林静恒「紺碧之海(こんぺきのうみ)?」
『紺碧之海』は青い薔薇の花の名前。中心は黒に近い濃い青色で、外側に向かって明るい色へと変化し、花びらの外側の基部は紺碧、中心には小さな銀色の点がきらめいて星空を思わせる。

花言葉は『帰ることのできない故郷』
林静恒「奴の仕掛けた罠ではない?」
源異人がこの少年に林静恒との接触を許し、二人を解放したのは単なる偶然とは思えない。しかしこの実験室に連れてきたのは、源異人の本意ではないだろう。二人を追っていた海賊たちさえ入ってこない。
この少年にどのようにしてシームレスな移植手術が成されたのかは分からないが、この実験室ではこれほどのハイエンドな移植はできないだろう。
林静恒は陸必行の奇妙な骨年齢と不一致の遺伝子を思い出した。
林静恒「闇市の臭大姐を知ってるか?」
この少年は源異人によって闇市で買われた。少年は臭大姐に助けられたことがあり、最近源異人について闇市へ行った時に臭大姐に会い、海賊の侵略が迫っていることを彼に伝えたようだ。
少年は海蛇が臭大姐の基地から来たと聞いたため、命がけで彼を救出したのだろう。
<エピソード15> サプライズ

林静恒「秘密の地点だからしばらくは安全だ」
緊急ワープによる強烈な圧力で気を失っていた少年を回復ポッドにいれようとしたが、この機甲には回復ポッドがなく、また医療機器、医薬品、補給品はすべて降ろされており、飲料水さえなかった。
少年には追跡装置がつけられているはずだが、彼がそれを知っていたかどうかは定かではない。
源異人「カワセミ いい働きだったぞ」
源異人「そいつを気に入ったのかい?問題ない、これからは君のものだ」

陸必行「何があったんだ?連絡も取らず――」
陸必行の耳にサタデーの言葉が繰り返し響く。
『陸先生、俺が初めて学んだ教訓なんだ。人生には待ってくれないこともあるんだって。』
陸必行「すでに手遅れだったらどうしよう・・・」