〈その1〉では身内や周りに発達障害者、そして『らしき人』が多くいる、と書きました。
例に挙げたのは数名ですが、類は友を呼ぶ、なのか『らしき人』は次々現れ、逆に発達障害者と無縁な人などいないのでは?と思えるくらいです。
発達障害者は一見障害者には見えないので、
当人は他者との違いに悩み
まわりの人はついイライラ。
私が寄り添う事が出来たのは
近くで接しているから。
自分も発達障害の可能性があるから。
というのもありますが・・何より
脳の機能が違うんだ!
と気付けたから、だと思うのです。
そう思ったら、一歩引いた見方が出来るようになった気がするのです。
脳の機能が違うから、
本人の意思で改善出来ることばかりではない
と割り切れたというか。
そして彼らの行動パターンや考え方が皆似ているので慣れてきたというか・・
『脳の機能が違うんだ!!』
『その1』で書きましたが、身内のTはアスペルガー症候群との診断を受けています。
そのTが小学生の頃、鏡文字、ならぬ鏡時計を描いたと聞きました。
ですが、『ちゃんと描いて』 と言うと正しい時計を描くのだそうです。
他にも左右不対象の絵を真似して描いてもらうと、左右が逆になる。
でも 『ちゃんと描いて』 と言うと、ちゃんと描ける。
年齢とともに左右逆に描くことはなくなったそうなのですが。
これを聞いた時、私の中で
『脳の機能が違うんだ!!』
と何故か腑に落ちたのです。
『目で見た物を認識するのは脳。
認識した向きが違うと言われ、脳は向きを変えて認識しなおしたのでは・・』
もちろんそれが正しい結論とは言えません。
どうして鏡絵を描いたのか、そしてそれをどうして訂正出来たのか
全くわかりませんけど。
発達障害は脳機能の障害と言われていて
普通に出来ることが『出来ない』 = 『劣っている』
として問題視されます。
ですが鏡時計描いたのってすごくないですか?
発達障害者は得意分野に関してはIQが高い、とも言われています。
私の周りの発達障害者や『らしき人』たちにも、IQが非常に高い【得意分野】があります。
祖母も言っていました。
アスペルガー症候群であったと思われる父のIQは、突出して高い分野があったと。
父に学力はありませんでしたが、好きな分野の資格をたくさん取得したため、
会社を辞めても、また次の会社に就けるだけの技術は持っていて、必要とはされていたのです。
ただ、コミュニケーション能力の欠如から、同じ会社に長く在籍することは出来ませんでしたが。
社会の発達や豊かさの鍵を握ってる!?
天才と言われる偉人達には発達障害者であったと思われる方が多くいるようです。
そこに至るまでの過程は彼らならではの考えや行動で、
想像しがたい事を成し遂げています。
人類は『発達障害者』と言われる人たちのおかげで発展してきたと言っても過言ではないのではないでしょうか。
彼らの【好きな事への執着、そして集中力】
は、この社会や組織の中で【適応出来る人】たちには
なかなか出来ないことだと思うのです。
もちろん発達障害者だからといって、誰もが歴史に名を残す天才になるわけではありませんし、その必要はないのですが
私が見ていても、彼らにはすごい能力がありますので
ぜひその能力を上手く使って活躍して欲しいと思うのです。
それが彼らの幸せだとも思うのです。
周りの人の理解は得られるのか?
私たちとの関わりの中で、自分が発達障害者であるかもしれない事に気付いた『らしき人』A。
彼女は仕事先で上司から連日怒られてばかり。
『本当に馬鹿なんだから!』とまで言われたようです。
辛そうな彼女の話を聞いて、私たちは辞める事を勧めるのですが
その仕事が好きだと言う彼女、『もう少し頑張ってみる』と言いながら半年。
ある日、あまりの上司の𠮟責に涙してしまった彼女は、上司に
『私は物覚えが遅いし、一度に色々な事は出来ないし、人を逆なでするような事を言ってしまうんです・・』
と言ったところ、上司まで一緒に泣き出して
『解っていたの? てっきり解っていないのかと思って・・・
私はそれを教えたかったのよ!』 と。
色々と彼女からの話を聞く中で、上司の叱責はパワハラにあたるかもしれませんが、けしてAを嫌いではないし、仕事が出来ないと思ってはいない、というのは垣間見えていました。
昔ながらの愛の指導、と言いますか・・
Aは本当に頑張りすぎるほど頑張りますし、真面目すぎるくらい真面目です。
ですが相手の意図するところが理解出来ないため、要領が悪く融通がきかないと捉えられてしまいます。
どうしても誤解されやすいのです。
A本人も上司も、それがAの【個性】だと受け入れる事が出来たのなら、もう少し上手くいったのかもしれません。
今は少し上司の叱責は抑えられているとの事ですが・・
発達障害と上手く付き合っていく
発達障害認定を受ける事で少しでも心が楽になるのなら、それも良いかもしれません。
障害者手帳を取得することも出来ます。
ですが、障害者手帳を掲げて社会生活を送る事が良い選択とまではいかないかもしれません。
発達障害は残念ながら精神障害者扱いとなるようなので、障害者手帳を掲げて仕事に就くのは難しいようです。
T は手帳を持っていますが、『好きな仕事に就けないから』という理由で障害者である事は伝えずに今の職に採用され、しっかり働いています。
年末調整で知られてしまうとは思いますが・・・
やりたかった仕事に就けて問題なく働いていますし、むしろ大活躍しているようですから、、
きっと大丈夫でしょう。
ADHD認定者のFは、今は薬の服用をやめて、
障害と上手く向き合って生活しています。
普通に毎朝出勤するような仕事は出来ないからと、
在宅で、そして自分のペースで出来る仕事を始め
個人事業主として得意分野を生かして活躍しています。
お金の管理が出来ない、忘れ物や落とし物、電車の乗り間違え等々
それぞれ細かく自分なりに対応策を考え、
仕事に集中出来るような環境を整えるなど、日常生活を工夫しています。
やりたい事をやればいい
発達障害者は、他人との違いに悩む人もいます。
ですが発達障害でなくとも、人それぞれ得意不得意はあります。
発達障害者はそのバランスが極端に悪いだけです。
出来ない事をどうすべきか、と出来ない事に焦点をあてるのではなく、
どう回避するのか。
どう上手く付き合っていくのか。
当人が自分自身を受け入れることと
まわりの人の寄り添いとフォローは必須だと思われますが
必要以上に心配したり、
「なんとかしてあげなくちゃ」、と強く関わる必要はない
と私は思います。
彼らは強いです。
自分が何をやりたいかはよく解っているようですし
それに携わることが出来れば、困難も乗り越えてしまうのです。
【普通】という枠に入ろう、入れようとするのではなく
なるべくのびのびと、好きなように生きていけるような環境に身をおいて欲しいと思います。
信じて。焦らずに。
今は多種多様な生き方が出来る時代です。
障害があろうがなかろうが
自分がやりたいと思うことをやることで
きっと道は開かれるはずだと信じています。